2017年3月31日のプロ野球開幕に向け、各球団、戦力把握・調整の真っ只中というところでしょうか。
では、2017年プロ野球球団の年棒総額をみてみましょう。
※ 2023年プロ野球全球団年棒総額はこちら
2017年プロ野球各球団の年棒総額
上の表をみると、2017年はソフトバンクが年棒総額55億円で12球団中1位です。2016年との比較では約2億円増で、2位ジャイアンツ(約47億円)を8億円引き離して独走です。余談ですが、WBCで大活躍したソフトバンク千賀滉大投手の年棒6,500万円って、なんてお買い得な…。
年棒総額最下位は中日で約22億円。
印象的なのは2015,2016年連続総額最下位(20億円未満)だったDeNAが3.6億円アップで9位に上昇。筒香選手の2億アップ(’16:1億→’17:3億)など、一部大盤振る舞いがみられました。
広島は優勝したにも関わらず2.0億円減少。6億円プレイヤーの黒田選手の引退の影響ですね、、、
ここで突然ですが各球団の「ジニ係数」についてみてみましょう。
『ジニ係数』とは?
『年棒のチーム内格差』を測る尺度として『ジニ係数』を用います。『ジニ係数』は0~1までの値をとり、年棒が全選手に対して均等に割り当てられているとき”0″となり、逆に1人の選手に集中しているとき”1″となります。
国家の所得分配の不平等さを測る際に用いられ、社会騒乱多発の警戒ラインは0.4超といわれています。ちなみに2011年の日本のジニ係数は”0.554″です(目立った騒乱は多発してないですね)。
詳しくは以下を参照ください。
wikipedia ジニ係数
2017プロ野球各球団の年棒のジニ係数
では、実際に2017プロ野球の各チームのジニ係数を算出した結果はこちらです。
上の結果から、一位がここでもソフトバンクで上位にパ・リーグが4チーム該当しています。そして、年棒総額下位5球団がジニ係数でも下位5球団となっています。チーム全体としての年棒が高額であると、年棒のチーム内格差は広がりがち(ジニ係数は高水準)で、逆にチーム全体としての年棒が低額であると、年棒のチーム内格差は狭まりがち(ジニ係数は低水準)であることが分かります。
ここで阪神タイガースのここ数年のジニ係数の推移に着目してみます。
阪神タイガースのジニ係数の推移
阪神タイガースの1999年~2016年にかけてのジニ係数とチーム成績の関係性を見てみます。
一見すると「ジニ係数が高いほど成績が良い」という関係性がみられます。
しかし、ジニ係数が0.65を超えたあたりから、やや成績が頭打ちとなり、むしろ悪化するような傾向が見えます。例えば直近10年で勝率5割を切った年度は、09,11,12,15,16の5年度です。これらの年は2016年を除き、いずれもジニ係数が0.65を超える高水準となっています。また、これらの年度は年棒総額自体は前後の年度と比較して低くありません(むしろ高水準です)。
このことから、チーム内年棒格差が広がり過ぎる(ジニ係数が高すぎる)と成績が低迷する傾向がみられます。阪神のジニ係数の適正水準(※成績が最も良くなる水準)は0.6~0.65と考えられます。
まとめ
下の図のとおり、2017年の阪神のジニ係数は「0.659」です。高額プレイヤーの糸井選手の補強があったため、前年からみて上昇しました。これは前述の適正水準「0.6~0.65」を超えてしまっています。よってこの数値からは2017年阪神タイガースの躍進は難しいかもしれません。
でも、タイガースには是非こんなジンクスを覆して欲しいと期待しております。