プロ野球の優勝チームってどんなイメージですか?
「ジャイアンツ」、「ホークス」など固有名詞が出てくるひともいれば、「先発投手が充実しているチーム」、「接戦に強いチーム」、「クリーンナップが固定されているチーム」といったイメージをお持ちの方もいるでしょう。
この投稿では、1985~2015年までの約30年間について、優勝チームのチーム打撃成績・投手成績を調べてみました。
果たして、投手力、打撃力、あるいは走力のいずれが優勝に直結するのでしょうか?
セ・リーグ優勝チームの特徴
まずはセ・リーグの優勝チームについて、主要な打撃・投手項目のチーム成績を順位でまとめてみました。
緑色に網掛けされているのが1位の箇所ですが、こうやってみると防御率については半分以上が緑色になっていることが分かります。
また最後の行に、各項目について31年分の順位の平均「平均順位」を出しました。この値が低ければ優勝との関連性が高いということになります。
この見方では、「防御率」が1.61と非常に低く、優勝に直結する要素であることが読み取れます。
打撃成績の項目の中では「打点」の平均順位が2.10と最も高くなりました。盗塁は2.94と最も高く優勝との関連性はあまり高くないという結果となりました。
セ・リーグでは過去31年の中で、優勝チームのうち21チームが防御率1位ということです。打率、本塁打、盗塁は打点よりも優勝との関連性が劣ることから、点さえ取れていればどんな形でも構わない(「王者の点の取り方」みたいなものは存在しない)ということでしょう。
パ・リーグ優勝チームの特徴
続いてパ・リーグです。
セ・リーグとほぼ同様の結果で、防御率と優勝との関連性の高さが伺えます。
パ・リーグでは過去31年の中で、優勝チームのうち18チームが防御率1位ということです。
投手力が劣っていても優勝したチーム
ここからは特徴的な優勝チームをご紹介します。
防御率が優勝に直結することをお伝えしましたが、そのセオリー無視で、投手力がリーグで最も劣っておりながら優勝したチームがあります。
それは2001年大阪近鉄バファローズで、いてまえ打線炸裂でパリーグを制しました。
この年、中村紀洋が打点王、ローズが本塁打王、さらに勝負強い磯部とクリンーンナップが充実しており、まさに打のチームでした。
ここ30年でチーム防御率最下位(4.98)でリーグ優勝したチームは2001年の近鉄ただ1チームです。
打撃力が劣っていても優勝したチーム
逆に、打撃力がリーグで最も貧弱ながら、優勝したチームです。
それは2011年中日ドラゴンズで、チーム打率.228と貧打ながら、谷繁、荒木、井端の鉄壁の守備、浅尾・岩瀬のリリーフ陣を要するまさに投手・守備のチームでした(先発投手タイトルは吉見が総ナメでした)。
2011年は統一球問題で、NPB全体が投高打低の傾向ではあったものの、チーム打率.228は際立っています。
クリーンナップは森野、ブランコ、和田といったところですが、皆、2割5分打てていません。
セ・リーグで1985年以降、2割3分台の優勝チームはいません。
さらにいうと2割4分台もいません(次に低いのは1996年優勝のジャイアンツで、チーム打率.253)。
それだけ前代未聞のチームスタイルだったといえるでしょう。
まとめ
この投稿では1985年以降の優勝チームの打撃・投手成績をまとめて、優勝に直結する要素について調べました。
その結果「防御率」が最も優勝との関連性が高いことがわかりました。
今後、2001年近鉄のようなセオリー無視の優勝チームが出てくることを期待しています。