2016年セ・リーグは広島カープがペナントレースを制しました。
下世話な話になりますが、広島カープのチーム年俸総額はセ・リーグ6球団の中で4番目でした。
つまり、6球団で低い方ということです。
なので、広島カープは本当によく頑張ったと、「小よく大を制す」的な爽快感を感じます。
逆に阪神タイガースは年棒総額2位ながら5位(9/24現在)と、残念な状況です。
ここで感じた疑問は、
ペナントレースの順位ってどのくらいチーム年棒と関係あるのだろうか?
基本的にはどれだけ高い金を払って優秀な選手を集められたか、でほぼ決まるんじゃないのか?
2016年広島カープの優勝が相当レアなできごとなのではないだろうか?
これを確かめるべく、セ・リーグの1999年以降のチーム年棒総額と順位の関係を調べました。
チーム年棒の推移と順位の関係(1999年以降)
上の結果から以下のことを読み取ることができます。
巨人がチーム年棒総額1位の年がほとんど(唯一の例外は2014年の阪神1位)広島がかなり長期間(2003~2013年の11年間)に渡り、チーム年棒総額6位をひた走ってきたチーム年棒総額1位の球団がペナントレースで最下位になったことはないチーム年棒総額6位の球団が2位以上になったことはない
チーム年棒と勝率の関係(1999年以降)
次に、チーム総年棒を各年度で偏差値化した値(大きいほど高額、小さいほど低額)と勝率との関係をプロットしてみました。
年棒が高いほど勝率も高くなるという関係性を読み取ることができます(相関係数は53%)。
グラフの中に示してある直線は回帰直線です。
この回帰式から以下の関係を導くことができました。
生々しいですねー。
チーム総額年棒を1億円増やすと、チームの勝率は4厘上昇する→(1/144=約7厘なので、1勝分にも満たない!!)チームの勝率を1割増やすためには、チーム総年棒に約25億円の上乗せが必要
また、別の見方として、グラフの右下に位置しているチーム・年度は年棒が高かったのに成績が振るわなかったチーム、左上に位置しているチームは少ない年棒のハンデを跳ね返して好成績を残したチームということになります。
予想通り、2016年広島カープが左上に位置しています。直線からより離れている方がレア度が高いということになりますので、2016年広島カープの優勝は、1999年以降でいうと2番目にレアな現象だったといえるでしょう(一番は2003年の阪神タイガース優勝)。
簡単に年棒と勝率の関係がレアなチームを紹介しておきます。
チーム年棒が低額なのに優勝したチーム
さきほどご紹介しました2016年広島と2003年阪神が、チーム総年棒4位ながら優勝しました。
- 2016年広島・・・【チーム総年棒25.2億、勝率.623(9/22時点)】緒方孝市監督の2年目のシーズン5月以降首位に立つと、6月以降は高勝率を維持し、独走状態で25年ぶりのセ・リーグ優勝を飾った。開幕クリーンナップはマル、ルナ、エルドレッド(新井が務めることも多数)。
- 2003年阪神・・・【チーム総年棒25.3億、勝率.630】星野仙一監督の2年目のシーズン。開幕直後から首位を独走し、7月終了時点で2位に17.5ゲーム差の大差を付け、18年ぶりのセ・リーグ優勝をで飾った。開幕クリーンナップは金本、濱中、桧山。
チーム年棒が高額なのに低迷したチーム
2005年の巨人と2012年の阪神が、チーム総年棒1位ながら5位に低迷しました。
- 2012年阪神・・・【チーム総年棒38.3億、勝率.423】和田豊監督の1年目のシーズン。5月終了時点では3位につけていたものの、6月以降失速した。開幕クリーンナップは鳥谷、新井、ブラゼル。
- 2005年巨人・・・【チーム総年棒48.7億、勝率.437】堀内恒夫監督の2年目のシーズン。開幕4連敗で始まり、チーム状態はそのまま良くならなかった。開幕クリーンナップは高橋、清原、ローズ。
まとめ
チーム年棒と勝率の関係は相関係数でいうと53%で、チーム年棒が高いと勝率も高くなるという関係性がみられました。
そんな法則をはねのけて2016年に優勝した広島カープは、1999年以降でみると2番目にレアな現象だったといえます。
1番レアなのは、2003年阪神タイガースの優勝でした。
「プロ野球 セ・リーグチーム年棒と成績の関係~お金で優勝は買えるのか?」への1件のフィードバック
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