いわゆる「進学校」のHPをみると大学合格実績が掲載されています。
しかし、これってあまりアテになりませんよね。国公立なら合格者のダブルカウントは基本ないのでいいのですが、私立大学の場合は優秀な生徒が複数学部合格して何回もカウントされてしまう可能性が大いにあるからです。私立の合格者数実績が卒業生数を超えている、なんてことはザラにあります。
このため、各校の合格実績をそのまま見ていても「この学校に入って学年の中で、このぐらいの位置につけておけば早慶に入れるレベルだな」といった知っておきたい情報を得ることはできません。
そこで、この投稿では各校の合格実績を学年で上位○%につけておけば早慶に入れるレベル(「早慶合格ボーダーライン」と呼びます)という情報に変換する方法をご紹介します。
手順
手順は3ステップです。
評価したい高校のHPで合格実績を取得
必要なのは国立難関大学(東京、京都、一橋、東工)と国立医学部、早稲田、慶応の合格者数と1学年の人数です。合格者数は現役・浪人合算の値で結構です(この投稿では現役/浪人は区別しません)。
取得した合格者数から「早慶ボーダーライン数」を算出
取得した全合格者数を合算して2で割って下さい(早慶合格者のダブリの影響を除外する処理。後述)。
この数値が早稲田・慶応レベルまでの進学者のボーダーライン「早慶ボーダーライン数」となります。
学年人数(卒業生数)で割って「早慶ボーダーライン率」を算出
前工程で算出した「早慶ボーダーライン数」を学年人数で割って、「早慶ボーダーライン率」を算出します。
この数値が知りたかった「学年で上位○%につけておけば早慶に入れるレベル」の数値ということになります。
算出結果
ご紹介したやり方で、都立中高一貫校の「早慶合格ボーダーライン」を出してみました。
上表から小石川高等学校であれば、学年で40.9%までの位置につけておけば、国立難関大学、国立医学部、早稲田、慶応に進学できそうだ、ということが読み取れます。
おまけ(全合格者数を2で割る根拠)
今回の投稿では、早慶合格者のダブル・トリプルカウントを除外するために、国立大学合格者も含めた合格者数を2で割る、という方法を採りました。この数値の意味は、「国立合格者および早慶合格者は、進学先とは別に早慶の合格を平均すると1つ得ている」という想定に立っています。
もちろん、国立一本勝負の生徒もいると思いますが、その一方で早慶の複数学部の合格を得る生徒もいるわけで、それらを平均すると進学先とは別に1つ、ということです。
なお、「平均して1つの合格を得ている」とする根拠は、めずらしく進学実績(合格実績ではなく)を公表している私立武蔵高等学校と、難関国立大学の合格実績比率が概ね同水準の海城高校について、それぞれ進学・合格実績を基に試算したところ、たまたま1に近い数字が得られたためです。
大半の高校では私大で複数カウントされている合格実績のみをHPに掲載している中、私立武蔵高等学校は進学実績のみを掲載しており、私なんかは「流石、武蔵!」と思ったりします。