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2016プロ野球 全球団年棒総額~阪神が熱い

プロ野球2016シーズンが開幕しました。この投稿では2016プロ野球各球団の年俸総額を見てみます。その際「ジニ係数」という集中度合いを示す値も併せてみていきます。

2016プロ野球各球団の年棒総額

2023年プロ野球全球団年棒総額はこちら


まず上の表をみると、今年はソフトバンクが年棒総額53億円で12球団中1位です。昨年との比較でも約8億円増えていることが分かります。優勝したので全体的に選手の年俸が上昇したのと、和田などの補強によるところでしょうか。年棒総額最下位はDeNAで、2年連続総額20億円未満でした。ここで「ジニ係数」についてみてみましょう。

『ジニ係数』とは?

『年棒のチーム内格差』を測る尺度として『ジニ係数』を用います。『ジニ係数』は0~1までの値をとり、年棒が全選手に対して均等に割り当てられているとき”0″となり、逆に1人の選手に集中しているとき”1″となります。
国家の所得分配の不平等さを測る際に用いられ、社会騒乱多発の警戒ラインは0.4超といわれています。ちなみに2011年の日本のジニ係数は”0.554″です(目立った騒乱は多発してないですね)。

詳しくは以下のアドレスを参照ください。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%8B%E4%BF%82%E6%95%B0

2016プロ野球各球団の年棒のジニ係数

では、実際に2016プロ野球の各チームのジニ係数を算出した結果はこちらです。

上の結果から、上位にパ・リーグが3チーム該当しています。そして、年棒総額下位4球団がジニ係数でも下位4球団となっています。チーム全体としての年棒が高額であると、年棒のチーム内格差は広がりがち(ジニ係数は高水準)で、逆にチーム全体としての年棒が低額であると、年棒のチーム内格差は狭まりがち(ジニ係数は低水準)であることが分かります。

ここで阪神タイガースのここ数年のジニ係数の推移に着目してみます。

阪神タイガースのジニ係数の推移

阪神タイガースの1999年~2015年にかけてのジニ係数とチーム成績の関係性を見てみます。

一見すると「ジニ係数が高いほど成績が良い」という関係性がみられます。
しかし、ジニ係数が0.65を超えたあたりから、やや成績が頭打ちとなり、むしろ悪化するような傾向が見えます。例えば直近10年で勝率5割を切った年度は、09,11,12,15の4年度ですが、これらの年はいずれもジニ係数が0.65を超える高水準となっています。また、これらの年度は年棒総額自体は前後の年度と比較して低くありません(むしろ高水準です)。

このことから、チーム内年棒格差が広がり過ぎる(ジニ係数が高すぎる)と成績が低迷する傾向がみられます。阪神のジニ係数の適正水準(※成績が最も良くなる水準)は0.6~0.65と考えられます。

まとめ

下の図のとおり、2016年の阪神のジニ係数は「0.648」です。高額プレイヤーのマートンや呉昇桓が退団したので、前年からみて低下しました。これは前述の適正水準「0.6~0.65」に収まっています。よって、2016年の阪神は期待できるかもしれません。

追記(2016/11/16)

残念ながら、2016年、阪神タイガースはギリギリ4位に滑り込むのがやっとでした。

しかし、野手では髙山、原口、北條、野手では岩貞、青柳など有望な若手が出てきました。
また、星野監督も、岡田監督も、真弓監督も、和田監督も就任初年度は成績悪かったんですよね(和田監督は5位で、残りの3監督は4位)。でも、二年目は星野・岡田監督が優勝、真弓・和田監督が2位。

この法則でいくと、金本阪神、二年目の2017年は期待できるかもしれません。

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