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プロ野球 年棒のチーム内格差とチーム成績の意外な関係

只今、2015クライマックスシリーズの真っ只中です。今回はプロ野球12球団の『年棒のチーム内格差』とチーム成績との関係性について考えてみようと思います。

『ジニ係数』とは?

『年棒のチーム内格差』を測る尺度として『ジニ係数』を用います。『ジニ係数』は0~1までの値をとり、年棒が全選手に対して均等に割り当てられているとき”0″となり、逆に1人の選手に集中しているとき”1″となります。
国家の所得分配の不平等さを測る際に用いられ、社会騒乱多発の警戒ラインは0.4超といわれています。ちなみに2011年の日本のジニ係数は”0.554″です(目立った騒乱は多発してないですね)。

詳しくは以下のアドレスを参照ください。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%8B%E4%BF%82%E6%95%B0

プロ野球全12球団のジニ係数

まず、2015年の全12球団についてジニ係数を算出してみました。

この結果から、以下の内容を読み取ることができます。

1点目については、たまたまですが日本のジニ係数”0.554″と同水準になりましたが。各球団において目立った「騒乱」は起こっていないわけで・・・。まだ『プロ野球球団のジニ係数の相場みたいなもの』はないので、この絶対水準だけをみてもなんともいえないでしょう。
2,3点目については、以下の関係性から特に違和感はない結果と思われます。

チーム全体として年棒が高額(低い額)⇒高額年俸選手が所属している(いない)⇒年棒のチーム内格差は拡大(縮小)しがち

4点目はやや意外な結果でした。この理由は以下に示すとおりソフトバンクには高額年棒選手が”多数”存在するためです。
結果的にジニ係数で測ったときのチーム内格差は他球団と比較して高くない水準に収まっています。

5点目については、ジニ係数が低い2球団=年棒総額が低い2球団であることから、ジニ係数特有の関係性(ジニ係数を持ち出して初めて言える関係性)ではなさそうです。

阪神タイガースのジニ係数の推移

次に、ジニ係数特有の傾向をみるべく、一球団に着目して時系列でジニ係数の推移をみることにしました。
阪神タイガースを例に1999年~2015年にかけてのジニ係数とチーム成績の関係性を見てみましょう。

一見すると「ジニ係数が高いほど成績が良い」という関係性がみられます。
しかし、ジニ係数が0.65を超えたあたりから、やや成績が頭打ちとなり、むしろ悪化するような傾向が見えます。
例えば直近10年で勝率5割を切った年度は、09,11,12,15の4年度ですが、これらの年はいずれもジニ係数が0.65を超える高水準となっています。
また、これらの年度は年棒総額自体は前後の年度と比較して低くありません(むしろ高水準です)。

このことから、チーム内年棒格差が広がり過ぎる(ジニ係数が高すぎる)と成績が低迷する傾向がみられます。
阪神のジニ係数の適正水準(※成績が最も良くなる水準)は0.6~0.65と考えられます。

まとめ

ジニ係数が高いという状況は、高額年棒選手を抱えているという状況です。仮にその選手が額面通りの活躍をしてくれない場合、成績が大崩れしてしまう可能性が考えられます。
大型補強を考える際には、ジニ係数で測った『年棒のチーム内格差』を参考にしてみてはいかがでしょうか?

※なお、「ジニ係数の適正水準は0.6~0.65」はこの時期の阪神にのみ当てはまるもので、他チーム(巨人)について同じ期間を調べてみるとこの法則は当てはまりませんでした。

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