2015年の阪神タイガースはすごく不思議なチーム
2015年10月7日、広島カープの最終戦敗退により、阪神タイガースは2015クライマックスシリーズへの進出が決まりました。最終的にクライマックスシリーズでジャイアンツにジャイアンツに敗れたわけですが、振り返ってみて2015年のタイガースは、すごく不思議なチームでした。下表のセ・リーグ順位表と得失点をご覧下さい。
阪神は得失点差が「-85点」と失点が得点を大きく上回っているにも関わらず、3位でシリーズを終えました(得失点差がマイナスであるにも関わらず、首位に立っていた時期もありました)。
このことから、2015年の阪神は効率よく得点を勝ちに結びつけた、表現を変えれば「接戦に強いが、大敗が多いチーム」であったとイメージされます。
接戦に強い阪神
実際に、阪神の得失点別の勝敗を見てみましょう。
2点以内の接戦では勝率0.600(42勝28敗)と高水準であることが分かります。
一方、3点以上の差がついたときは勝率0.394(28勝43敗)です。
このことから2015年の阪神は「接戦に強いが、大敗も多いチーム」といってもいいでしょう。
参考までに、広島カープは2点以内の接戦だと勝率0.452(33勝40敗)、3点以上の差がついたときは勝率0.537(36勝31敗)と、阪神とは逆の傾向が読み取れました。
では、2015年阪神にこのような特徴が出たのはなぜでしょう?
「接戦に強いが、大敗が多いチーム」はどのようにして生まれた?
「接戦に強いが、大敗が多いチーム」が生まれた要因を検討するにあたり、以下のような仮説を立てました。
- ・阪神のリリーフ陣には「勝ちパターン」と「負けパターン」で防御率に大きな差がある
- ・このことにより、「勝ちパターン」のときの辛勝、「負けパターン」のときの大敗、が多数生じた。
下表では、セ・リーグの各チームについて、投手を「先発」、「勝ちパターン」、「負けパターン」で分類して防御率を集計しました。
すると予想どおり、阪神には「勝ちパターン」、「負けパターン」の間に大きな差がみられました。特に阪神の「負けパターン」は防御率5.68点と突出して高い水準でした。
よって前述の仮説を支持する結果が得られたといえます。
※今回は簡単のために、以下のとおり投手を分類して集計を試みました。
先発:2015年シーズンに一度でも先発したことのある投手
勝ちパターン:上記「先発」以外で、投球回数が多い4投手を基本として以下のとおり設定
負けパターン:上記「先発」、「勝ちパターン」以外の投手
チーム作りの教訓を得る
2015年の阪神の成績からチーム作りの教訓を得るならば、「リリーフ陣は、そこそこの選手を揃えるよりも、”少数精鋭”のほうがトータルの勝ち数に結びつきやすい」といったところでしょうか(もちろん、「負けパターン」も含めてリリーフ陣に穴がないのが理想なのでしょうが)。
阪神には史上初の「勝率5割未満で日本一」という、下克上を見せて欲しかったのですが・・・。来季に期待します!
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