2022年の各球団の年棒更改は終了。
それでは早速、2022年プロ野球球団のチーム年棒総額をみてみましょう。
2022年プロ野球各球団の年棒総額
ソフトバンクがチーム年棒総額59.8億円でダントツトップ(7年連続チーム年棒総額一位)。
今年は目立った補強はないものの、安定の7年連続でチーム年棒総額1位はソフトバンク。
年棒2億超えの選手が11人います。2021年の4位はなんだったんでしょうか?コストパフォーマンス悪すぎると感じるのは私だけでしょうか?
柳田(6.2億)、千賀(6.0億)、森(4.6億)、ガルビス(4.6億)、チャットウッド(3.5億)、モイネロ(3.0億)、今宮(2.9億)、デスパイネ(2.7億)、グラシアル(2.7億)、中村(2.4億)、甲斐(2.1億)
2位巨人は前年比0.9億円減でチーム年棒総額47.3億円。
高給取りは、菅野(6.0億)、坂本(6.0億)、丸(4.5億)、岡本(3.0億)、ポランコ(2.5億)、アンドリース(2.2億)、梶谷(2.0億)といいたところ。
なお、3位の楽天は43.4億円。2021年から復帰の田中 将大、過去最高額9.0億が効いております。
4位は2021年覇者ヤクルト。いつも支配下選手に渋いこのチームも6.3億増と大盤振る舞い、といったところでしょう。
年棒総額最下位は前年二続き中日で約25.1億。
ちなみにソフトバンクや巨人の「野手陣のみ」よりもお安くなっています。
ここで突然ですが各球団の「ジニ係数」についてみてみましょう。
『ジニ係数』とは?
『ジニ係数』とは『年棒のチーム内格差』を測る尺度で0~1までの値をとります。大きいほど一部の選手に年棒が集中していることになります。たとえば年棒が全選手に対して均等に割り当てられているとき”0″となり、逆に1人の選手に集中しているとき”1″となります。
国家の所得分配の不平等さを測る際に用いられ、社会騒乱多発の警戒ラインは0.4超といわれています。ちなみに2011年の日本のジニ係数は”0.554″です(目立った騒乱は多発してないですね)。
詳しくは以下を参照ください。
wikipedia ジニ係数
2022プロ野球各球団の年棒のジニ係数
このジニ係数が実はチームの成績を占ううえでとても重要なのです。まずは、実際に2022プロ野球の各チームのジニ係数を算出した結果をみてみましょう。
上の結果から、ジニ係数は楽天、ソフトバンクの順に1,2位ということが分かります。過去の結果から、チーム全体としての年棒が高額であると、年棒のチーム内格差は広がりがち(ジニ係数は高水準)で、逆にチーム全体としての年棒が低額であると、年棒のチーム内格差は狭まりがち(ジニ係数は低水準)であることが分かっています。
楽天は年棒総額3位ながらジニ係数が1位なのは、田中将大が要因ですね。彼に集中してるからジニ係数が突出して高くなっています。
ここで阪神タイガースのここ数年のジニ係数の推移に着目してみます。
阪神タイガースのジニ係数の推移
阪神タイガースの1999年~2022年にかけてのジニ係数とチーム成績の関係性を見てみます。
一見すると「ジニ係数が高いほど成績が良い」という関係性がみられます。
しかし、ジニ係数が0.65を超えたあたりから、やや成績が頭打ちとなり、むしろ悪化するような傾向が見えます。例えば直近10年で勝率5割を切った年度は、09,11,12,15,16,そして18年の6年度です。これらの年は2016年を除き、いずれもジニ係数が0.65を超える高水準となっています。また、これらの年度は年棒総額自体は前後の年度と比較して低くありません(むしろ高水準です)。
このことから、チーム内年棒格差が広がり過ぎる(ジニ係数が高すぎる)と成績が低迷する傾向がみられます。阪神のジニ係数の適正水準(※成績が最も良くなる水準)は0.6~0.65と考えられます。
ちなみに2020、2021年のジニ係数は「0.606」、「0.624」と適正水準だったため、二年連続で2位でした。
まとめ
先に示したとおり、2022年の阪神のジニ係数は「0.616」です。これは前年に引き続き適正水準「0.6~0.65」に収まっています。よってこの数値からは2022年阪神タイガースの見通しは、明るいでしょう。