塾選びで合格実績をみるときに注意すべきこと~都立中高一貫校

子供が小学校中学年に差し掛かると、子供の同級生たちが塾に通い始めて、「うちもボチボチ塾に通わせるか。」と考え始める頃じゃないでしょうか。

塾選びのポイントとしては、塾の指導方針と子供との相性、値段、家からの近さ、中学受験を視野に入れたときの志望校への合格実績・・・などが挙げられますが、この投稿では「合格実績」に着目します。

具体的には大手塾の2016年の『都立中高一貫校』の合格実績を比較することで、各塾の特徴・傾向について考えてみます。
(なお、『都立中高一貫校』を取り上げた理由は、私の子供の受験(受検)を検討中で最近いろいろ調べたから、です。)

都立中高一貫校の募集人数・偏差値

最近、多少落ち着いたようですが、依然高い人気となっている都立中高一貫校。
勉強熱心な子供が集まって、授業妨害するような子もおらず、教師陣もそれ相応。ある意味「良い環境」で学業に専念でき、かつ、学費も公立の水準。子供の学業は応援したいけど、中学から私立に行かせられるほどは経済的な余裕がない方には、都合がいいでしょう。

まず、都立中高一貫校(一校は区立)について簡単にまとめておきます。

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いずれも偏差値63オーバーで、小石川は70です。最難関私立までの水準ではないですが、倍率をみても4~8倍と「選ばれた子供」が行くことがよく分かります(実質倍率は高い箇所に赤色、低い箇所に青色網掛をつけました)。

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大手塾の合格実績

大手塾の合格実績をリストにまとめました。下の表は各学校の定員に対する占有率で、塾間で比較して最高の塾に網掛けをつけました。
この見方だと『ena』が強い、と読み取ることができます。

なお、都立は基本受験(受検)日は一日しかないので、ひとつの塾に着目したとき、一人の優秀な子供が複数校合格して何度もカウントされている、ということはないはずです。ただし塾の掛け持ちをしている子がいれば、塾間でのダブルカウントはありえるでしょう。

合格者数と占有率

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上で示した合格者数と占有率は塾選びの際に大いに参考になりますが、厳密には塾の指導力を測ることはできないと思います。

なぜなら、いくら合格者数が多くても、その裏で何人の不合格者がいるのかが分からないからです。例えば、『ena』はいくつかの学校で定員の過半数を占めるほどの合格者を出していますが、実は合格者の10倍のひとが受けていた、なんてことがあれば合格倍率は10倍となり、受験者全体の水準(4~8倍)よりも劣ることになります。

なので、塾選びの際には必ず、お子さんの志望校の合格実績とともに何人受験したのか、を確認するようにしましょう。

調整済み残差による塾の特徴把握

少し切り口を変えて、各塾の合格実績を比較します。

「調整済み残差」を用いて、塾×学校における実際の合格者数が期待度数からどのくらい離れているか、をみます。この値が大きい(小さい)ほど、その塾はその学校の入試に対する指導が得意(苦手)というふうに解釈できそうです。
下表をご覧下さい(水準の大小で網掛けをつけました)。

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上の結果から読み取れることを以下に記します。

・SAPIXの「都立小石川」における水準が異様に高い。SAPIXは現状中高一貫クラスを設けていない。私立本命の子供達に「腕試し」的に、中高一貫校で最難度の「都立小石川」を受験させているのかもしれない。

・同様に日能研、四谷大塚も比較的難度(偏差値)の高い学校において水準が高くなっている。

・enaの「都立立川国際」、「都立南多摩」、「都立武蔵附属」、「都立富士附属」、「都立三鷹」における水準が高く、これらの学校が得意と思われる。ただし、塾の立地も大いに影響していると推察される(中央線沿線の通塾生が多い?)。

・早稲田アカデミーは他の塾と比べて偏りが小さい。

・栄光は「都立桜修館」、「都立白鷗附属」の水準が高く、これらの学校が得意と思われる。

「調整済み残差」についての詳細は以下を参照ください。
参照:象と散歩(クロス集計表の有意差検定)

まとめ

塾の合格実績について「調整済み残差」での比較をご紹介しましたが、これはあくまでもご参考です。
塾選びの際には、合格実績とともに何人受験したのかを確認するようにしましょう。

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